潮だまりにて
護岸のすぐ近くに潮だまりができています。
ウェットスーツを着て、静かに入ってみました。
水面に浮かんで、生きものたちを見ました。
水が澄み、太陽の光が差し込みます。
藻類が光合成をしているのでしょう。藻類の表面に小さな気泡がたくさんつき、光を受けて輝いています。
無数の気泡が水面にぷつぷつと上がっていきます。
光合成をしている証を見ている気がします。
水面のすぐ下に、ナガウニの仲間がいます。
賑やかです。
水底に手を着く時は、目で確認して場所を選ぶようにしています。
しかし・・・。石だと思って指先を着いたらなぜかムニュッと柔らかく、よく見ると眼と口があり、魚の形をしていました。
オコゼの仲間(オニダルマオコゼ?)の背中でした。
触れた場所の約2cm横には毒のある背鰭があったので、ヒヤッとしました。
海は彼らが住む場所。そこに立ち入っているのは私たちです。
危険生物への注意は意識しているつもりですが、足りなかったようです・・・。
イソギンポの仲間が藻を食べる様子、ヘビギンポの仲間の恋の様子(雄は婚姻色になり、雌らしき個体にアピールしているようでしたが、雌は去ってしまいました)など、見ていると飽きません。
怖がらせてはいけないと思いつつも、間近で見させてもらいました。
相棒はまだ撮影を続けていましたが、寒くなったので潮だまりから出ました。
近くの小さな潮だまりには、クモヒトデの仲間がたくさんいて、水面でしきりに腕を振っています。
見ていると、腕の振り方にパターンがあることが分かりました。
護岸のコンクリートブロックのすぐ前の潮だまりを覗くと、小さなヤドカリが目にとまりました。
きれいな貝殻を背負っていますが、形が三角形ではなく、円形です。
背負って歩くには(細い脚です)水の抵抗を受けるだろうし、ひっかかったりしそうだけどなぁ、と思いました。
護岸からは、生きものたちがいることに気付きにくいですが、近付いて静かに見ていると、たくさんの生きものたちの存在と営みが見えてきます。
撮影日 2013年1月26日
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