海草藻場(うみくさもば)

有光綾子

2015年02月11日 21:51

昨年の10月、仲間達と共に、沖縄本島北部の浅い海に入りました。
海草藻場(うみくさもば)が広がる海です。

海草藻場がどのような感じの所か、ご存じない方もいらっしゃることと思います。
写真を見ながら、イメージしていただけたら、と思います。

浜から泳ぎ始めると、ゆるやかな砂地の斜面があり、その先に草原のような光景が広がっています。




白い砂底に、太陽の光でいろんな模様ができます。


海草に近付くと、葉の上に有孔虫の仲間のゼニイシがついていました。
有孔虫は、一つの細胞からなる生きもので、石灰質の殻をもち、隙間から細い足を出して海草や海藻につかまっています。ホシズナ等もこの仲間です。


海草の間にベラ科の幼魚がいました。いろんな魚を見かけました。
魚たちにとっては、隠れ場所(特に稚魚や幼魚の頃)であり、餌を食べる場所でもある、大切なものです。
ジュゴンやウミガメは、海草自体を食料にします。


ベニアマモでしょうか。光が当たってきれいでした。
他にも、リュウキュウスガモ、ボウバアマモ、リュウキュウアマモ、ウミヒルモ等がありました。


海草藻場の中のくぼ地には、何種類もの幼魚が集まっていて、賑やかな雰囲気でした。
ヒメフエダイの幼魚達は、いろんなサイズのものがいました。


途中で切れた海草を撮影したら、プツプツと出てくる気泡が写っていました。
海草は、進化の過程で、いったん陸上に上がった植物が、再び水中生活に戻ったものだそうです。
海の中で、太陽の光を受けて光合成をしています。
陸上植物と同様に、体の中に空気の通り道があるそうで、ちぎれた断面のその通り道から、小さな小さな気泡が出てきているのでしょう。


このような場を失ってはならないと思います。


かつて、沖縄本島の沿岸には、今よりも海草藻場がたくさんあったようですが、埋め立てや環境の変化などで失われてきたそうです。

泡瀬でも、辺野古でも、浦添の海でも、海草藻場を埋めてはならないと思います。


スキンダイビングにて撮影
撮影日 2014年10月








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