2011年09月16日
◆泡瀬干潟 ・ サンゴの海
泡瀬の海でサンゴの産卵が確認されたことがあります。
知らない人も多いのではないでしょうか。
2007年6月の夜、仲間たちと共にヒメマツミドリイシの産卵を確認しに行きました。
22時頃、たくさんの小さなポリプから、淡いピンク色のバンドル(卵と精子)が放たれました。

泡瀬 ヒメマツミドリイシの産卵
撮影日 2007年6月8日
海面にあがると、市街地の灯りが見えます。
市街地の前の海でありながら、サンゴの大群落があり産卵していたのです。
生活排水の影響や、他の海域にあるような赤土汚染、また、高水温が続いたことが原因で1998年に沖縄各地の海で起きたサンゴの白化現象は、ここではなかったのでしょうか。
手元にある資料で泡瀬干潟について調べてみました。
水質・・中城湾に流入する大きな河川はなく、赤土流入などがない。干潟の浄化機能。
海水・・外洋の海水が供給されている。
水温・・地下水の湧出がある。沖縄の年平均地中温度は23℃との情報あり。
成分・・泥岩由来の泥土(ジャーガルと呼ばれる)も主要な構成物。泥岩には有孔虫化石など
カルシウム分が豊富であり、サンゴ群集はじめ藻場や貝類の生産性を高める要因とも考えられている。
参考文献:
うまんちゅぬ宝 泡瀬干潟の自然ガイドブック 泡瀬干潟自然環境調査報告書(普及版),2005
第7回自然環境保全基礎調査 浅海域生態系調査(藻場調査報告書),2008
日本の渚 失われゆく海辺の自然,1999
このような事が関係しているのかもしれません。
実際に、ヒメマツミドリイシ群落の上は周囲よりも水が冷たいと感じたことがありました。
おそらく長い歳月をかけて形成された、絶妙なバランスで好条件ができているのでしょう。
では、そのバランスが崩れたら・・。
このサンゴはその後、半分くらい(見た感じの印象です)まで死んでしまいました。
全部死んでしまうかと心配しましたが、ある程度のところで止まったようでホッとしました。
この2年ほどの間に、死んだ部分の上に新たなサンゴが少しずつ成長し始めています。
私は、事業が止まっていた(=負荷が減っていた)ためだと思っています。
埋め立てはサンゴをはじめ、無数の生きものを生き埋めにします。
ヒメマツミドリイシの群落は、現在海上にある護岸内ではなく外側にありますが、工事によって水質や流れなどの環境の変化があれば影響を受けるでしょう。
ヒメマツミドリイシの枝の間や群落の周りには、いろんな種類の魚や生きものが棲んでいます。
これ以上事業が進むことなく(負荷がかかることなく)、再生を始めたサンゴが更に回復できることを願います。
沖縄県はサンゴ礁保全再生事業の一環で、2016年までの6年間に2海域(慶良間海域・恩納海域)で、計3ヘクタール・約9万本のサンゴを植え付ける計画だそうです。初年度の予算は2億3千万円。
私は、今自然の状態で生きているサンゴを守ることを優先させたいです。
サンゴが減る理由は何か、人為的負荷の中で減らせそうなものは何か、が大切です。
泡瀬について発信したいことがいくつもあります。
ヒメマツミドリイシの話はそのうちの一つでした。
ちょうど昨日の琉球新報に、東京の日本自然保護協会が会見した記事が載っています。
ぜひご覧ください。
※画像をクリックすると、大きくなります。
表示された画像が小さい場合は、カーソルをあわせてクリックすると大きくなることが
ありますので、お試しください。

知らない人も多いのではないでしょうか。
2007年6月の夜、仲間たちと共にヒメマツミドリイシの産卵を確認しに行きました。
22時頃、たくさんの小さなポリプから、淡いピンク色のバンドル(卵と精子)が放たれました。

泡瀬 ヒメマツミドリイシの産卵
撮影日 2007年6月8日
海面にあがると、市街地の灯りが見えます。
市街地の前の海でありながら、サンゴの大群落があり産卵していたのです。
生活排水の影響や、他の海域にあるような赤土汚染、また、高水温が続いたことが原因で1998年に沖縄各地の海で起きたサンゴの白化現象は、ここではなかったのでしょうか。
手元にある資料で泡瀬干潟について調べてみました。
水質・・中城湾に流入する大きな河川はなく、赤土流入などがない。干潟の浄化機能。
海水・・外洋の海水が供給されている。
水温・・地下水の湧出がある。沖縄の年平均地中温度は23℃との情報あり。
成分・・泥岩由来の泥土(ジャーガルと呼ばれる)も主要な構成物。泥岩には有孔虫化石など
カルシウム分が豊富であり、サンゴ群集はじめ藻場や貝類の生産性を高める要因とも考えられている。
参考文献:
うまんちゅぬ宝 泡瀬干潟の自然ガイドブック 泡瀬干潟自然環境調査報告書(普及版),2005
第7回自然環境保全基礎調査 浅海域生態系調査(藻場調査報告書),2008
日本の渚 失われゆく海辺の自然,1999
このような事が関係しているのかもしれません。
実際に、ヒメマツミドリイシ群落の上は周囲よりも水が冷たいと感じたことがありました。
おそらく長い歳月をかけて形成された、絶妙なバランスで好条件ができているのでしょう。
では、そのバランスが崩れたら・・。
このサンゴはその後、半分くらい(見た感じの印象です)まで死んでしまいました。
全部死んでしまうかと心配しましたが、ある程度のところで止まったようでホッとしました。
この2年ほどの間に、死んだ部分の上に新たなサンゴが少しずつ成長し始めています。
私は、事業が止まっていた(=負荷が減っていた)ためだと思っています。
埋め立てはサンゴをはじめ、無数の生きものを生き埋めにします。
ヒメマツミドリイシの群落は、現在海上にある護岸内ではなく外側にありますが、工事によって水質や流れなどの環境の変化があれば影響を受けるでしょう。
ヒメマツミドリイシの枝の間や群落の周りには、いろんな種類の魚や生きものが棲んでいます。
これ以上事業が進むことなく(負荷がかかることなく)、再生を始めたサンゴが更に回復できることを願います。
沖縄県はサンゴ礁保全再生事業の一環で、2016年までの6年間に2海域(慶良間海域・恩納海域)で、計3ヘクタール・約9万本のサンゴを植え付ける計画だそうです。初年度の予算は2億3千万円。
私は、今自然の状態で生きているサンゴを守ることを優先させたいです。
サンゴが減る理由は何か、人為的負荷の中で減らせそうなものは何か、が大切です。
泡瀬について発信したいことがいくつもあります。
ヒメマツミドリイシの話はそのうちの一つでした。
ちょうど昨日の琉球新報に、東京の日本自然保護協会が会見した記事が載っています。
ぜひご覧ください。
※画像をクリックすると、大きくなります。
表示された画像が小さい場合は、カーソルをあわせてクリックすると大きくなることが
ありますので、お試しください。


Posted by 有光綾子 at 23:21
│泡瀬干潟