2011年10月15日
◆泡瀬 識者談話.10月15日 沖縄タイムスより転載
2011年10月15日の沖縄タイムスより転載します。
識者談話
『防災の観点から無謀』 加藤祐三琉球大学名誉教授(防災地質学)
津波防災の観点上、埋め立て地は望ましくない。東北では被災集落の高台移転を検討しており、泡瀬事業のように膨大な公費で新たに埋め立て地を造成するのは無謀ですらある。泡瀬埋立は出島方式で、陸地とつなぐ橋は1本であり避難の際は車が詰まり、防災上、役に立たない。
県は人工島内の避難所をホテル3階の屋上とするが、屋上にいたる階段や建物入り口に人が殺到する可能性を考えていない。巨大な防潮堤、防波堤を造ることになれば、さらなるコストがかかる。
最新の地震研究では、琉球海溝やユーラシアプレート内陸側で津波を伴う地震の可能性を指摘している。いつ起きるか分からない地震に備えるには、防災の観点から各事業を評価する必要があるが、泡瀬事業の場合は防災、経済的メリットの点でも「進めるべきではない」との結論にしかならないだろう。
『判決まで事業停止を』 仲地博沖縄大学副学長(行政法)
泡瀬埋め立て事業に関する第1次訴訟では、埋め立てを行うための市や県の支出は、地方自治法や地方財政法に違反すると判断された。
埋め立てを続けるには、経済的合理性を確保しなければならないが、沖縄市の新しい計画に世論は納得していないから、第2次訴訟が提訴されているといえる。
行政事件訴訟は、住民が行政処分を違法だと提訴しても、県や国は判決が出るまで執行し続けることが認められている。裁判が続く間にも国民の税金はつぎ込まれ、海は埋め立てられる。裁判中に埋め立てが終わると、もはや裁判を続ける意味がないとして、行政の違法性は追求できず、裁判が終わってしまう。
事業に緊急性はないのだから、判決まで執行を停止してはどうか。環境、防災の面からも、じっくり調査することが悔いを残さない。
識者談話
『防災の観点から無謀』 加藤祐三琉球大学名誉教授(防災地質学)
津波防災の観点上、埋め立て地は望ましくない。東北では被災集落の高台移転を検討しており、泡瀬事業のように膨大な公費で新たに埋め立て地を造成するのは無謀ですらある。泡瀬埋立は出島方式で、陸地とつなぐ橋は1本であり避難の際は車が詰まり、防災上、役に立たない。
県は人工島内の避難所をホテル3階の屋上とするが、屋上にいたる階段や建物入り口に人が殺到する可能性を考えていない。巨大な防潮堤、防波堤を造ることになれば、さらなるコストがかかる。
最新の地震研究では、琉球海溝やユーラシアプレート内陸側で津波を伴う地震の可能性を指摘している。いつ起きるか分からない地震に備えるには、防災の観点から各事業を評価する必要があるが、泡瀬事業の場合は防災、経済的メリットの点でも「進めるべきではない」との結論にしかならないだろう。
『判決まで事業停止を』 仲地博沖縄大学副学長(行政法)
泡瀬埋め立て事業に関する第1次訴訟では、埋め立てを行うための市や県の支出は、地方自治法や地方財政法に違反すると判断された。
埋め立てを続けるには、経済的合理性を確保しなければならないが、沖縄市の新しい計画に世論は納得していないから、第2次訴訟が提訴されているといえる。
行政事件訴訟は、住民が行政処分を違法だと提訴しても、県や国は判決が出るまで執行し続けることが認められている。裁判が続く間にも国民の税金はつぎ込まれ、海は埋め立てられる。裁判中に埋め立てが終わると、もはや裁判を続ける意味がないとして、行政の違法性は追求できず、裁判が終わってしまう。
事業に緊急性はないのだから、判決まで執行を停止してはどうか。環境、防災の面からも、じっくり調査することが悔いを残さない。
Posted by 有光綾子 at 15:11
│新聞記事(泡瀬干潟)