2015年3月 干潮の泡瀬干潟

有光綾子

2015年04月12日 17:31

Awase tidal flat. March 21, 2015.

2月24日、那覇地裁で第2次泡瀬干潟埋め立て訴訟の判決を傍聴しました。
納得のいかない残念な結果でした。
私個人としては、引き続き、泡瀬の海を見続けて記録していこうと思っています。

3月21日は潮が大きく引く日だったので、ウミエラの様子を見に行きました。
撮影した順に写真を載せます。


クビレミドロです。
沖縄の限られた場所でしか確認されていない海藻で、絶滅の危機に瀕している種です(環境省 レッドデータブック 絶滅危惧Ⅰ類)。


砂が移動しているようです。


イソスギナが一部、砂に埋まっていました。最近、砂が移動したばかりのようです。
底質が変化する(安定していない)と、困る生きものたちもいるでしょう。


埋め立て事業関連のブイがありました。


写真では分かりにくいですが、海上を囲んでいる護岸から、更に構造物が延びていました。
一番手前で、写真右側から中央付近まで延びています。


沖の方まで来ました。


ある程度水深がある所で、水中の様子を見ました。
何種類もの海藻がありました。きれいです。


透明度は少し良くありませんが、水の色はきれいです。
海草藻場です。


頭に大きなツノがあるフグに出会いました。
コンゴウフグに似ています。
警戒していたのか、ずーっとこちらを見たままだったので、正面からの様子しか見ることができませんでした。


砂茶碗が3個並んでいました。
巻き貝が卵を産みながら、卵と砂粒を一緒にして、お茶碗をひっくり返したような形にしていくそうです。
あまりの見事さに感心してしまいます。


ウミエラです。確認できてホッとしました。
砂地にいて、鳥の羽根のような形をしています。


たくさんのポリプが開いています。
サンゴやクラゲ、イソギンチャクの仲間です。
このひとつひとつのポリプが、触手で小さな餌を捕らえて、食べるそうです。


海草とウミエラが隣り合っていました。
美しい光景でした。


ウミヒルモ(海草の一種)です。
陸上の植物にそっくりです。


海中はこのような感じです。


海上工事はこのような場所で行われています。


埋めたり、周辺の海に影響を与えるのではなく、残して(守って)いく方がいい。
あまりにももったいない、と思います。


大きなイソギンチャクがいました。


何種類かの二枚貝の殻が散乱している所がありました。
人が身を取ってから、殻を捨てた可能性もあるかもしれませんが、何らかの原因で貝類が死んだ可能性もある、と思っています。


海草が、根本だけ残り茶色くなっている一帯がありました。
枯れる時期なのかと思いましたが、元気そうな一帯もありました。


このような感じです。


海上工事の範囲がどの辺りまで来るのか、周辺の海や生きものにどのような影響が出るのか・・・。

岸に向かう途中、知り合いの人に会いました。
一緒にいた小学生くらいの男の子達は、大きなウミウシを見て、とても嬉しそうでした。
海と生きものがとにかく好き、という雰囲気でした。

人工よりも、自然のままの干潟で五感を刺激され、その場の空気を感じる方がいい。
自然界の生きものたちと出会い、彼らの営みを見せてもらうことで、感じることがいっぱいあります。
私たち人が健やかな精神を保つには、自然と接することがとても大切だと思います。
泡瀬は、それができる場所なのですが・・・。








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